水彩で!色鉛筆で!様々な茶色の作り方とは

色づくり

茶色は、たったひとつの色じゃない。
あたたかみのあるカフェラテのようなブラウンから、木の皮のような深い焦げ茶まで──
「混ぜ方ひとつ」でまったく印象が変わる色です。

水彩絵の具や色鉛筆を手に取ったとき、
「いい感じの茶色が出せない…」と悩んだこと、ありませんか?

実は、茶色は赤・青・黄の“バランス勝負”
ほんの少しの色味の違いが、温かさ・冷たさ・深みを変えてしまう繊細な色なんです。

この記事では、

  • 茶色の色としての仕組み

  • 水彩での混色レシピ

  • 色鉛筆での重ね塗りテク

  • 自然モチーフにぴったりの茶色のコツ
    …などを初心者にもやさしく解説!

読み終えるころには、きっとあなたも
「自分だけの“推しブラウン”が見つかった…!」と思えるはずです。

  1. 茶色ってどんな色?──色相・彩度・明度で見る“複雑な中間色”
    1. 色相環では“オレンジ系のくすみ色”
    2. 茶色は「明度と彩度」のバランスが命
  2. 水彩で作る茶色:赤・青・黄を使った基本のレシピ
    1. レシピ①:ナチュラルな“標準ブラウン”
    2. レシピ②:カフェオレ系の“あたたかい茶色”
    3. レシピ③:シックな“冷たい茶色”
    4. ちょっとしたコツ:混ぜる順番と水の量
  3. 色鉛筆で作る茶色:重ね塗りで深みを出すテクニック
    1. 基本は「赤+緑」「橙+青」「黄+紫」の補色ミックス
    2. 重ねる順番と圧のかけ方で印象が変わる
    3. 茶色の“質感”を描き分けよう
  4. こんなに違う!「あたたかい茶色」と「冷たい茶色」
    1. 「あたたかい茶色」──親しみ・ナチュラル・やさしさ
    2. 「冷たい茶色」──都会的・落ち着き・静けさ
    3. なぜ温度感が違って感じるの?
  5. 自然を描くならこの茶色!葉っぱ・木・大地の色づくり
    1.  木の幹・枝を描くときの茶色
    2.  枯れ葉や落ち葉にぴったりの茶色
    3.  土や大地、岩場を描くときの茶色
    4. 自然物は“色ムラ”や“にじみ”を活かすとリアルに!
  6. 失敗しない混色のポイント──濁らせないための工夫
    1. ✅ コツ①:使う色は“3色まで”に絞る
    2. ✅ コツ②:絵の具の“透明度”をチェック
    3. ✅ コツ③:一度に混ぜすぎない
    4. ✅ コツ④:紙の色やにじみ方もチェックしよう
  7. あなたの茶色を見つけよう:お気に入りレシピを記録しよう!
    1. レシピノートを作ってみよう!
    2. 推しブラウンに名前をつける楽しみも
    3. 自分だけの色が、表現をもっと楽しくする

茶色ってどんな色?──色相・彩度・明度で見る“複雑な中間色”

茶色は、赤や青のような“はっきりした色”とは違って、ちょっとぼんやりしていて曖昧
でもその分、やさしさ・ぬくもり・落ち着きといった印象を持つ、魅力的な色です。

色相環では“オレンジ系のくすみ色”

茶色は、色相環(いろの輪)でいうと、オレンジ〜赤のあたりの「彩度が低くて明度も低い色」。
つまり、“にごったオレンジ”や“暗めの赤”といったポジションなんです。

このため、茶色は「混ぜて作られることが多い色」。
**純粋な茶色の絵の具がなくても、自分で作れる!**という楽しさがあります。

茶色は「明度と彩度」のバランスが命

例えばこんな色を思い浮かべてみてください:

  • 明るめの茶色 → キャラメル・カフェラテ・ミルクチョコ

  • 暗めの茶色 → 焦げ茶・ビターチョコ・木の皮

  • 赤みが強い → テラコッタ・レンガ色

  • 黄みが強い → 黄土色・からし色

  • 青みがある → 渋茶・バーントアンバー

どれも「茶色」なんだけど、ちょっとずつ印象が違いますよね?
この微妙な違いは、混ぜる色のバランス(赤・黄・青)や水分量、重ね方、筆圧によって自在に変わるんです。

つまり茶色は、
**「配合しだいで何通りもの表情を見せるアーティスト」**のような存在。
だからこそ、混色の練習にもぴったりなんだよね!

水彩で作る茶色:赤・青・黄を使った基本のレシピ

水彩絵の具で茶色を作るなら、まず覚えておきたいのは
**「赤+青+黄の3色混色」**という基本ルール。
これをうまく調整することで、自分好みの茶色を作ることができるんです!

レシピ①:ナチュラルな“標準ブラウン”

  • 赤(カドミウムレッド)

  • 青(ウルトラマリン)

  • 黄(イエローオーカー)

この3色を、ほぼ同じくらいの量で混ぜると、
深みのある「標準的な茶色」になります。
木の幹やコーヒーのような自然な色味で、風景にも人物にも使いやすい万能ブラウン!

レシピ②:カフェオレ系の“あたたかい茶色”

  • 赤(バーントシエナ)

  • 黄(カドミウムイエロー)

  • 青(少なめに)

赤と黄を多めにして、青はごく少なめにすると、
まるでミルクチョコレートやカフェオレのような柔らかブラウンに。

優しい雰囲気の人物画、木製の小物、布などにぴったり!

レシピ③:シックな“冷たい茶色”

  • 青(フタロブルーまたはインディゴ)

  • 赤(アリザリンクリムソン)

  • 黄(ほんのり)

青みをしっかり効かせて、渋くてクールなブラウンに。
都会的な雰囲気や、秋冬の風景、影色などに効果的です。

ちょっとしたコツ:混ぜる順番と水の量

  • 先に明るい色(黄・赤)を混ぜてから、青を足して調整すると失敗しにくい

  • 水を多めにすると透明感が出て、少なめにするとマットで濃厚に

  • パレット上ではなく、紙の上で混ぜると偶然の美しさが出ることも!

水彩ならではの“にじみ”や“ムラ”が、茶色に表情やストーリーをくれるんだよね。

色鉛筆で作る茶色:重ね塗りで深みを出すテクニック

色鉛筆には「茶色」の名前がついた色がたくさんあるけれど、
実は、**既成の茶色を使うだけでは表現できない“深み”や“味”**もあるんです。

そんなときこそ、重ね塗り=混色テクニックが活躍!

基本は「赤+緑」「橙+青」「黄+紫」の補色ミックス

色鉛筆で茶色を作る基本ルールは、水彩と同じく補色の組み合わせ

たとえば:

  • 赤+緑(補色同士)=落ち着いたブラウン

  • オレンジ+青=ほんのり暗めの茶色

  • 黄+紫=柔らかい中間トーン

これらを何度も塗り重ねることで、既存の色鉛筆では出せない独自の茶色が生まれます。

重ねる順番と圧のかけ方で印象が変わる

同じ2色を重ねる場合でも、どちらを先に塗るかで結果が変わるんです。

  • 最初に明るい色(黄や赤)を塗って、上から暗い色(青や黒)を重ねると、色が深く見える

  • 反対に、先に暗い色を下地にして、上から明るい色を重ねると、やや濁った“自然な影色”に

また、強い筆圧で塗るとマットに、軽い筆圧で何層にも塗ると柔らかな透明感が出ます。

茶色の“質感”を描き分けよう

色鉛筆は、木のざらざら感・土のしっとり感・布のふんわり感など、質感を出すのにぴったり。

  • 木材なら:オレンジ+青を重ねて、鉛筆の「かすれ」を活かす

  • 大地なら:黄土+赤茶+グレーで“乾いた感”を出す

  • ココアやチョコなら:濃い赤茶をしっかり塗り込んで“濃密さ”を演出

つまり、“どんな茶色を描きたいか”で、使う色・順番・筆圧が変わるんだね。

こんなに違う!「あたたかい茶色」と「冷たい茶色」

茶色って、ただの中間色じゃなくて、
「あたたかい」か「冷たい」かで雰囲気ががらりと変わる色なんです。

「あたたかい茶色」──親しみ・ナチュラル・やさしさ

赤みや黄みが強い茶色は、人の心をほっとさせてくれます。
たとえば:

  • オレンジ+黄土色 → 秋の紅葉のような暖かさ

  • 赤茶+キャラメル → お菓子のようなやさしさ

  • テラコッタ系 → 素焼きの器や土壁のあたたかさ

用途:人物スケッチ・カフェのインテリア・秋の風景など、親しみや安心感を出したい場面に。

「冷たい茶色」──都会的・落ち着き・静けさ

青みやグレーがかった茶色は、静けさやクールな印象を演出します。

  • 焦げ茶+インディゴ → スタイリッシュで知的

  • 茶+グレー → 渋めで大人っぽい印象

  • 黒に近いブラウン → 無機質で洗練された雰囲気

用途:都会の風景・男性ファッション・インダストリアルなデザインなど、“かっこよさ”を強調したいときに。

なぜ温度感が違って感じるの?

これは色彩心理学の視点で言うと、

  • 赤・オレンジ・黄系 → 太陽や火など、あたたかいものを連想

  • 青・紫・グレー系 → 氷や金属など、冷たいものを連想

つまり、自然や感覚に結びついた“連想力”が、色の印象を変えるんです。

絵の中で「季節感」や「感情」を表現したいとき、
“あたたかい茶色”か“冷たい茶色”かを意識するだけで、完成度がグッと上がるよ!

自然を描くならこの茶色!葉っぱ・木・大地の色づくり

茶色といえば、やっぱり自然の色
葉っぱ、木の幹、土、枯れ草、どんぐり……
自然をモチーフにするとき、茶色のバリエーションがあると絵にぐっとリアルさと深みが出るんです。

 木の幹・枝を描くときの茶色

おすすめレシピ(水彩)

  • 赤(バーントシエナ)+青(ウルトラマリン)+黄(少なめ)
    → 木の樹皮らしい“こげ茶色”に!

おすすめ重ね塗り(色鉛筆)

  • 赤茶 → オリーブ → 黒
    → 木の「年輪」や「ひび割れ」を表現しやすい

 枯れ葉や落ち葉にぴったりの茶色

おすすめレシピ(水彩)

  • 赤+黄+少量の青 → 赤みがかった「秋色ブラウン」
    → にじみを活かすと“自然にカサついた質感”が出せる

色鉛筆テク

  • 濃いオレンジ → 茶 → グレー
    → グラデーションで“色あせた葉っぱ”っぽさが出せる

 土や大地、岩場を描くときの茶色

おすすめレシピ(水彩)

  • イエローオーカー+バーントアンバー
    → “乾いた土の茶色”に!

湿った地面を描くときは、青やグレーを足して冷たさを出すのも効果的。

色鉛筆テク

  • ベージュ → ブラウン → ダークグレー
    → ゴツゴツした地面や石の質感にも◎

自然物は“色ムラ”や“にじみ”を活かすとリアルに!

自然のものは、完璧な均一色ではなく、微妙なムラや濃淡があるのが特徴。

  • 水彩なら、にじませてグラデーションを出す

  • 色鉛筆なら、ザラっとした紙で“かすれ”を残す

そうすることで、生命感・質感・存在感が絵に加わるんだよね。

失敗しない混色のポイント──濁らせないための工夫

茶色は混色で作ることが多いぶん、**「濁る」「にごる」「よごれる」**という落とし穴も多いんだよね。
でもちょっとしたコツを意識すれば、クリアで深みのある茶色が作れるようになる!

✅ コツ①:使う色は“3色まで”に絞る

赤・青・黄をバランスよく混ぜれば茶色になるけれど、4色以上混ぜると色がくすみやすい

特に水彩では、余計な色を入れすぎると“ドブ色”になりがち…。

色数は最小限に、目的に合わせて選ぶこと!

✅ コツ②:絵の具の“透明度”をチェック

不透明な絵の具(白や黒、パーマネント系)を混ぜると、にごりやすくなる傾向あり

→ 初心者は、透明水彩(例:ウルトラマリン・アリザリンクリムソンなど)をメインに使うのがおすすめ。

✅ コツ③:一度に混ぜすぎない

混色は一気にやると失敗しがち。
特に水彩は、ちょっとずつ試して調整するのがコツ!

  • まずは2色だけでベースを作る

  • 足りない要素(明るさ/深み/赤みなど)を後から少しずつ足す

  • こまめに紙でテストしながら調整

✅ コツ④:紙の色やにじみ方もチェックしよう

同じ混色でも、紙の白さ・吸収性・質感で仕上がりが変わる!

  • 白が強い紙だと色が鮮やかに見える

  • ザラザラ紙だとムラが出やすく、逆に自然に見えることも

紙選びも「混色の仕上がり」に関わる要素なんだね。

濁らない茶色を作るには、
“色を足す”より“引き算”の感覚で混ぜるのがポイントだよ。

あなたの茶色を見つけよう:お気に入りレシピを記録しよう!

茶色は“混色の魔法”で無限にバリエーションが生まれる色。
だからこそ、自分だけの「お気に入りの茶色」を見つけたら、ちゃんと記録しておくのが大切なんだ。

レシピノートを作ってみよう!

色を作ったときは、ただ“できた!”で終わらせずに

  • 使った色(赤・青・黄の種類)

  • 比率(1:1:1、赤多め、など)

  • 使用した画材(透明水彩・色鉛筆の種類)

  • 重ね順や筆圧の強さ
    …などを、ノートにメモしておくと、次に再現するときに超便利!

小さな紙に塗ってスウォッチ化して貼るのもおすすめだよ!

推しブラウンに名前をつける楽しみも

たとえば…

  • キャラメルブラウン

  • 秋の森ブラウン

  • あったか毛布色

  • 渋カフェチョコ

色に名前をつけると、その色に対する愛着がグッと湧いてくるんだよね。

自分だけの色が、表現をもっと楽しくする

「いい茶色が作れた…!」
その感動が、きっと次の創作にもつながる。

水彩や色鉛筆って、技術だけじゃなくて
**“観察力”と“ちょっとした気づき”**が作品のクオリティを変えてくれるツールなんだ。

そして、茶色はそんな“気づき”を育ててくれる色。

さあ、次はあなたの番!
今日からぜひ、あなたの“推し茶色”レシピ帳を始めてみてね。

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